オタク理系大学生ファッション奮闘記その２　VSファッション誌

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その１↑

キモヲタ故、最初の一歩がとにかく困った

服屋、服屋に行くのか？　僕が？　ユニクロすら一人で入るのを恐れている僕が？　っていうかどこで買うんだ？　不明だ。わからん。ダークソウルで初めて火継ぎの祭祀場に来た時くらいどうしていいかわからん。突然墓場で骸骨に囲まれて死ぬのは嫌だ

 

情報戦

しかしキモータ故、情報収集は得意だ

インターネット無双。うおおおおお！ｶﾀｶﾀｶﾀｶﾀ

「ファッション　大学生」
「ファッション　大学生　カッコイイ」
「ファッション　大学生　モテる」
「ファッション　大学生　めっちゃモテる」
「ファッション　大学生　モテ過ぎて辛い」
「大学生　モテる」
「大学生　モテたい」
「大学生　彼女欲しい」
「彼女欲しい」
「彼女　作り方」
「大学生　彼女　作り方」
「AngelBeats!　評判」

とあらゆるワードを調べまくる！　なるほど！
バス男君！　バス子ちゃん！　そして仙人！　オレ頑張るよ！　AngelBeats!の評判は悪いけど、だーまえも頑張ってくれ！

 

……あれ？

 

駄目だ。幾度もファッション系のサイトを見たが、ぶっちゃけ何言ってんのか全然わかんないし、その服がカッコイイかどうかもイマイチわからねぇ

やっぱネットだけじゃ駄目だ。世の中紙の情報だ！　アナログだ！
本屋へチャリでダッシュ！

本屋に入店！

同級生に遭遇！

「おう、何買いに来たの？」

「え？　いや、えっと、普通に、漫画……」

「へー」

「うん」

「そんじゃまた」

「ん。また」

退店！

ここは駄目だ！　敵が！　敵が居る！　敵が居ない遠くの本屋へダッシュだ！
チャリを30分近く漕いで遠くの本屋へ。ここなら知り合いもいないだろう

 

本屋に入店２！

そもそもファッション雑誌何て読んだことねぇ！　どこにあるんだ！

適当に歩いて行くと「男性ファッション」のコーナーを発見

でも……でも……
何か、お洒落な男が立ち読みしてる。何かポケットの辺がジャラジャラしてる。よくわかんないけどたぶんお洒落な人だ……

とりあえず後ろを通り過ぎてみる
何故早足になってしまったのか。再度通り過ぎてみる

と……止まれん……!!

勇気を出すんだ。勇気を。人間賛歌とは勇気の賛歌なんだ

僕はお洒落大学生になってモテるんだ……

渾身の勇気を持って、ファッション誌コーナーの前に立ち、さっきの男の隣に並ぶ事に成功した。しかし……

どれ読めばいいんだ！？

 

わ、わからん！　有り過ぎてわからん！　何で服の本がこんな10冊近くもあるんだ？　1冊で良くないか？？　あれだ。メンズノンノンって奴がおススメって2chで言ってた！　2chが言うなら間違いない！　あれ、ないな。ノンノンないな！　何か売上NO1とか書いてある奴がある！　これでいいや！　あれ？　めっちゃ紐で縛られてるが？？　これ立ち読み防止？　雑誌なのに？　隣のお洒落マンは何か読んでるじゃん。え？　付録がついてるの？　筆箱付き？　へー。すげーじゃん……。

……いやいや要らないが筆箱！　ファッション知りたいんだが!?　筆箱は要らないんだが!?　何で筆箱付けた!?　大抵の人は筆箱くらい持ってると思うが!?　薬入れにでもしましょうってか!?　って誰がすんねん！　誰が筆箱使うねん！　誰が筆箱求めて雑誌買うねん！

思わぬ筆箱にパニクってると。お兄さんにチラ見された（気がした）

あ……あ……
あああああすいません！　すいません！　帰ります！　もう帰ります！　命だけは！　僕まだ初心者なんです！　おしゃれなベージュのスヌードで絞め殺さないで！　許して！　

と脱兎のごとくsmartを持ったまま離脱

大　勝　利

 

道中文房具コーナーでシャー芯を調達しつつレジへ
深呼吸。ふぅ

いんや～～、僕わざわざファッション誌買いに来た訳じゃないですからねぇ？　店員さぁん、もっちろん、わかってますよねぇ？

かーっ、勉強中にシャー芯切れるとかついてねーわー。マジで。そんで慌てて家の近くの文房具売ってるとこ来たしぃ、まあついでに？　いつもの？　ファッション誌を？　買うかぁ！　みたいなぁ？　つってぇ！

みたいなことを考えているうちに店の外
チャリの籠の中にはファッション誌

……やった！

やったぞ！　僕はファッション雑誌を購入したぞ！

見たかキモータ共！　僕はこの、えっと、なんだ。smart！　スマートを購入したんだぞ！　お前達とは違うんだ！　僕は、オタクはオタクでもファッション誌を買えるようなオタクなんだ！　キモ・スマート・オタクなんだ！　僕の事はキマータと呼べ！

ワハハハハーと帰宅。何故か30分程チャリを漕いだ
でも脳内で

「待ってよ！　おしゃ泉君！」
「追いつきたいのなら、もう30回転ケイデンスを上げろ」
「はい！」

とかやってたから早かった）

 

情報戦２

早速読む。筆箱は要らないけど、捨てるのもなんだからその辺にポイ！

読む
読む
読む

……あー、なるほど
んー、あー、そういう、そういう感じかぁ。あー、うん。なるほどねぇ

あー・・・・・

 

全　然　わ　か　ら　ん　

 

 

いや、写真の人はカッコイイよ？　でもそれが僕に似合うのかわからね
そんでどこでこんなモノが売ってるのかもわからね。ハラジュクノフルギヤって何だ？　呪文か？

コラム的な感じにあるファッション講座！　みたいな部分だけが唯一「へー」ってなった部分だ

色は３種類までにしよう！　とかズボンと靴の色合わせると足が長く見えるよ！　とか丈の長いアウターを着る場合はズボンは細いのにするとバランスいいよ！　とかそういう事が書いてある

いや、でもさ、なんつーか、そういう小手先のレベルアップじゃないんだ。うん、講座まで開いて貰っておいてなんだけどさ。僕が欲しいのは

「TOEIC600点を2週間で720点にしよう！」

とかじゃないんだわ

「初めてのTOEIC！　420点を取れる勉強法！」

みたいのが欲しいんだわ

つまりおめーらレベルがたけーんだわ！

基礎！　基礎がないわけ！　こっちは義務教育レベルの教養すらないの！　関係代名詞とかまだ早いの！　be動詞から始めてほしいの！

でも、ネットで駄目で、本も駄目！　となると･･････

もう、店、行くしかねぇ……

 

 

背水の陣

英語力が一番上がる方法、それは留学だ。ホームステイだ。一切喋れない奴も、アメリカで１年も揉まれればそれなりに話せるようになってくると言う。何故なら周り全てが英語だし、英語を喋れなければ何も出来ねーからだ。そういった環境に身を置く。つまり背水の陣だ

そんなら僕も、するしかねぇ

ファッション留学するしかねぇ！

嗚呼、死ぬかも……
死んでしまう。アメリカ言っても「でぃ……でぃす……」しか喋れないのと一緒で服屋で「あっ」しか言えなくなるんだ……

いや、しかし諦めるのはまだ早い。最善を尽くすんだ

装備を万全にしよう。今僕の中で最もお洒落な格好をしよう（黒）

そして胃薬を用意だ。一応頭痛薬と痛み止めも用意した。完璧だ。しかし入れモノがないな……

 

……あ

 

僕は立ち上がる

床に転がった筆箱を拾い上げ、薬を入れた

ゆっくりと、部屋の扉を開ける

smartよ、僕に力を貸してくれ

行くぜ

服屋への道を、僕は歩き出した

つづくっ

オタク大学生ファッション奮闘記 その３ ゾーンプレス – 今日はヒトデ祭りだぞ！